自営業者や個人事業主の場合、なかなか融資が受けられない、融資を申し込んでも断られてしまったという経験がある人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、自営業者や個人事業主が融資を受けやすくするため何をしたらよいか、おすすめの融資方法についてご紹介します。
自営業者や個人事業主は本当に融資を受けにくい?
自営業者や個人事業主は本当に融資を受けにくいのでしょうか。
結論から申し上げますと、残念ながら個人よりも法人の方が融資を受けやすいという傾向があるのは事実です。なぜなら、自営業者や個人事業主の場合、個人の生活費と事業の経費の区別をするのが困難なケースがあり、生活に必要な費用も事業の経費として計上されてしまうことも多いです。そのため、一般的に個人事業主の確定申告書よりも法人の決算書の方が信用されやすいのです。
しかし、自営業者や個人事業主は融資を受けることができないということではありません。次に自営業者や個人事業主が融資を受ける場合、どんな融資方法があるのか、融資を通りやすくするためにはどのようにしたらよいのかご紹介します。
自営業者や個人事業主におすすめの融資方法は?
自営業者や個人事業主が受けられる融資には以下のような方法があります。
- 日本政策金融公庫からの借り入れ
- 信用金庫からの借り入れ
- 近くの民主商工会(民商)からの借り入れ
それぞれ利用できる要件などが異なりますので、それぞれに合った融資方法を選択することが大切です。
日本政策金融公庫からの借り入れ
自営業者や個人事業主におすすめの融資方法は、日本政策金融公庫から融資を受ける方法です。日本政策金融公庫は、中小企業だけではなく個人事業主の方をサポートするために政府が運営している融資機関なので、個人事業主の方も低い金利で融資を受けやすいという特徴があります。ただし融資を受けるためには、しっかりとした事業計画を立てる必要がある、申込時に揃える書類が多く準備する必要がある、審査が厳しいといった面もあります。日本政策金融公庫での融資を希望する場合は、認定支援機関を経由して申し込みすると良いでしょう。
認定支援機関とは、専門知識や実務が一定レベルに達している人に対して国が認定している公的機関のことを言います。商工会、金融機関、税理士、公認会計士などが認定支援機関として認定されています。全国で約25,000カ所の認定支援機関がありますので、まずは近くの認定支援機関に相談してみましょう。
信用金庫からの借り入れ
信用金庫は、地域の人が利用者、会員となり、地域の繁栄を図るために相互扶助を目的として作られた金融機関です。信用金庫の主な取引先は、地域の中小企業や個人なので、銀行よりも融資の相談がしやすいといえます。
信用金庫をメイバンクにしていて、定期預金や定期積立の契約がある、信用金庫の残高が多い人の場合は、現状が苦しくても相談に乗ってもらえる可能性がありますので一度相談してみても良いでしょう。
近くの民主商工会(民商)からの借り入れ
民主商工会(民商)とは、全国組織の全国商工連合会に所属している組織で、自営業者やフリーランスの方の商売をサポートしています。金融機関からの融資が厳しい、銀行に融資を断られてしまった、自己破産した経験がある人なども融資の相談に乗ってもらうことができます。ただし民商を利用するためには、民商の会員になる必要があります。民商を利用して融資を希望する場合は、まずは近くの民商を探して問い合わせをしてみましょう。
不動産を担保に融資を受ける方法も
持ち家や土地などの不動産を所有している場合は、不動産を担保に融資を受けることができます。日本政策金融公庫、信用金庫などから融資を受ける場合、申込をしたすべての人が融資を受けられるわけではありません。融資には審査があるため、審査に通過しなければ融資を断られてしまうこともあります。
持ち家や土地を所有している場合は、日本政策金融公庫や信用金庫で融資を断られた人でも融資を受けられる可能性があります。なぜなら価値のある不動産を担保にすることで、万が一返済ができなくなってしまったとしても担保となっている不動産を売却することで貸したお金を回収することが可能だからです。もちろん、不動産担保ローンを利用する場合も審査がありますので、すべての方が融資を受けられるわけではありません。ですが、銀行などで融資を断られてしまった場合も不動産担保ローンを利用すると融資を受けられる可能性がありますので、不動産担保ローンを専門としている会社に相談してみることをおすすめします。
自営業者や個人事業主が融資を受けるために
自営業者や個人事業主が融資を受けるために大切なことは、事業計画をきちんと立てること、黒字経営をすること、そして開業届や青色申告といった法的な手続きを行い、財務管理をきちんとしておくことです。仮に法人であったとしても、赤字が続き、経営が厳しい状態が何年も続いている会社に対してお金を喜んで貸してくれるところはありません。しかし、自営業や個人事業主でも黒字経営が続いていれば、今期だけ赤字になってしまったというケースであれば融資をしてもらえるが可能性があります。
また、地域の信用金庫などに口座を作って日頃から健全な経営をしていれば、困ったときは相談に乗ってもらいやすくなりますので、地域の銀行や信用金庫との信頼関係を築いておくことも大切です。
最後に
自営業者や個人事業主の場合、個人の資産と会社としての資産を厳密に分けることが難しいケースがあるため、日本政策金融公庫や銀行での融資を断られてしまうことがあります。しかし、自営業者や個人事業主は融資を受けられないということではありません。今回ご紹介した民商や不動産担保ローンを利用すると、銀行などで融資を断られた人でも融資が可能になるケースがあります。融資を断られてしまった場合は、民商や不動産担保ローンの利用を検討してみるとよいでしょう。
不動産担保ローンを専門としている会社であれば、自社で不動産の販売を行っていることもありますので、所有の不動産の価値を高く評価してもらえる可能性もあります。不動産担保ローンを利用して融資を検討するのであれば、不動産担保ローンを専門としている会社に相談することがおすすめです。