事業性融資という言葉を聞いたことがありますか?売上がなかなか数字に表れない、事業を開始から年数が浅い場合、これだけで融資の審査は厳しくなるのが一般的です。しかし事業性融資は、通常の融資であれば審査に通過する可能性がなかった人でも、融資の審査に通る可能性がある融資方法です。そこで今回は、事業性融資についてわかりやすくご紹介します。
一般的な融資の審査方法
事業性融資の説明をする前に、一般的な融資の審査方法についてご紹介します。融資の審査は融資を受けたいと希望する金融機関によって内容は若干異なりますが、一般的には会社の「安全性」「安定性」が基準になります。
たとえば、
①3年連続黒字経営で、さらに事業を拡大するための資金融資を受けたいA社
②3年連続赤字経営で、会社の運転資金が底をつきそうなので融資を受けたいB社
あなたが銀行の融資担当者だったら、どちらの会社に融資をしたいと思いますか?もちろん、言うまでもなくA社ですね。
具体的な判断基準や、必要な書類は融資を受ける金融機関などによって異なりますが、債権者は返済の可能性が低い人にお金を融資したいとは思いません。
つまり、事業を起こしたばかりの人、個人事業主、赤字経営の事業主は融資の審査に通過するのが厳しいということになります。
しかし、会社経営の場合、事業を開始してすぐに軌道に乗ることはまずありませんよね。取引先や顧客と時間をかけて信頼関係を結び、少しずつ売上が上がっていくというのが一般的です。事業を起こしたばかりで今は売上的にはそれほどではなくても、時間をかければ大きく成長できる会社はたくさんあります。
スポーツ選手に例えるなら、スポーツを始めていきなりオリンピック選手になれる人はまずいませんが、毎日、毎日練習を重ね、苦しい思いをしながら鍛錬を続ければ、何年後か何十年か後にオリンピック選手になるという人も出てくるかもしれません。事業性融資とは、たとえて言うなら未来のオリンピック選手に対して今投資してくれるシステムなのです。
事業性融資とは
事業性融資とは、現在は「安全性」も「安定性」もない会社であっても、将来大きく成長できる可能性のある事業に対して融資をするというものです。つまり、自社の強みと将来性を具体的な数字やビジョンを元にアピールすることができれば、今現在はそうなっていなくても融資をしてもらえる可能性があるということです。
事業性融資のメリットとデメリット
事業性融資のメリットは、現在の状況ではなく将来性を評価して融資をしてもらえるということです。一般的な融資の場合、事業融資は決算書が会社の通知表になります。現在の成績がよければ審査に通過しやすくなりますが、現在の成績が悪ければ審査に落ちてしまう可能性が大きくなります。ですが事業性融資の場合、今は成績が良くなかったとしても、これから努力を重ねて将来成功する可能性が高いと認められれば融資を受けることができるのです。
事業性融資のデメリットは、未来の可能性を評価するため、評価が難しいことと、多角的な面から将来性があるかを判断するため、提出書類が多く申込が大変なことです。事業性融資の審査に通過するためには、どのように書類を作成すれば審査に通過しやすくなるのかなど、専門的な知識がある人のアドバイスを受けながら作成するのがおすすめです。
決算書だけで判断されない融資方法は事業性融資だけではない
明確なビジョンと計画があり、確実に実績を上げることができるということを証明するための書類を作成できれば、事業性融資を受けられる可能性があります。しかし、決算書だけで判断されない融資方法は、事業性融資だけではありません。不動産を担保に融資を受ける不動産担保ローンであれば、通常の融資であれば融資を断られる状態の決算書だったとしても、担保となる不動産価値が認められれば比較的審査に通過しやすい融資方法です。また、不動産担保ローンは事業資金以外にも利用することができるので、使い道が限定されていないという面からも利用しやすい融資方法の1つと言えます。銀行なども不動産担保ローンを扱っていますが、事業資金として不動産担保ローンを検討する場合は、不動産担保ローンを専門に扱う会社で相談することをおすすめします。
最後に
事業性融資は、将来的に成長する会社だと判断されれば今の経営状態に関係なく融資を受けることができるので、新規で事業を起こす人や個人事業主にとって心強いシステムと言えます。ただし、未来の会社の成長に対して融資を受けるので、必要な書類も多く、申込は簡単ではありません。会社の決算書だけで融資の可否を判断されない融資方法でおすすめしたいのが不動産担保ローンです。不動産に担保価値が認められれば、審査に通りやすいだけではなく、事業資金以外にも利用することが可能だからです。事業性融資は難しいけれど、決算書で判断されない融資を受けたい人は、不動産担保ローンを専門に扱う会社に一度相談してみてはいかがでしょうか。