運転資金は企業の日常的な事業活動を支える生命線であり、その管理は企業の財務健全性と成長の基盤を形成します。
この記事では、運転資金の計算方法を説明したうえで、資金繰りを改善して企業経営を安定させるための重要なポイントを紹介します。
運転資金の計算方法
運転資金とは、企業が日常的な運営活動を行うために必要な「流動資産」と「流動負債」の差額です。
運転資金の計算は、企業の短期的な財務健全性と流動性を評価するうえで、重要な指標となるものです。
運転資金の計算方法は、以下の通りです。
運転資金=流動資産(売上+在庫)−流動負債(買掛金)
流動資産とは、現金および現金同等物、市場に出せば1年以内に現金化可能な株式や債券、受取手形、売掛金、在庫など、1年以内に現金化される見込みのある資産を指します。
流動負債とは、1年以内に返済が予定されている借入金、支払手形、買掛金、未払金、短期借入金などの負債のことです。
運転資金の重要性
運転資金は、企業が日々の運営活動を滞りなく続けるためにどれだけの「余裕」があるかを示します。
正の運転資金(流動資産が流動負債を上回る状態)は、企業が短期的な負債を返済する能力があり、運営活動を持続的に行えることを意味するものです。
一方、負の運転資金(流動負債が流動資産を上回る状態)は、企業が流動性の問題に直面している可能性があることを示唆します。
運転資金の管理
運転資金の管理には、流動資産の増加、流動負債の管理、在庫の最適化、受取手形および売掛金の回収期間の短縮、支払い条件の見直しによる買掛金の管理など、さまざまな戦略が含まれます。
効果的な運転資金管理を行うことで、企業は資金繰りを改善し、財務の安定性を高めることができるでしょう。
運転資金不足・資金繰りを改善するには?
運転資金不足や資金繰りの問題は、企業運営において深刻な影響を及ぼす可能性があります。
ここからは、資金繰りを改善する8つの方法を紹介します。
売掛金の回収を早める
売掛金の回収期間を短縮することで、より多くの現金を手元に留めることが可能となり、資金繰りの改善につながります。
早期支払い割引の提供や回収プロセスの効率化を通じて、顧客からの支払いを促進しましょう。
支出を遅らせる
支出を遅らせることは、短期間で資金繰りを改善する有効な方法の一つです。
取引先との交渉により、支払い期間を延長してもらいましょう。
長期的な取引関係を築いているパートナーであれば、相互の信頼を基に支払い条件の見直しに応じてもらえる可能性は十分あると言えます。
固定費を削減する
固定費の削減は、企業の持続可能な運営を支援するために、不可欠な長期的な戦略です。オフィススペースの縮小、リモートワークの導入による光熱費の削減、不要なサービス契約の見直し等を通じて、固定費用を効果的に削減しましょう。
これにより、資金ショートのリスクを軽減し、企業の財務安定性を高めることができます。
資産を売却する
使用していない、または非効率的な資産を売却し、現金を確保することも、資金繰りの改善に有効な方法です。
特に、運転資金不足を補填するために、短期間で現金化できる資産の売却を検討します。
リース・アウトソースの活用
運転資金不足や資金繰りの改善には、リース・アウトソースの活用も有効です。
必要な設備やサービスを購入する代わりにリースを利用したり、アウトソーシングすることで運営コストを変動費化し、初期投資の削減や、運転資金の効率的な使用が可能となります。
資金繰り表の作成・管理
資金繰り表を作成し、正確なキャッシュフロー予測を立てることで、運転資金不足の問題を早期に発見し、対応策を講じることができます。
定期的に実績と比較しながら、資金ショートに陥る前に早めの対策を心がけましょう。
外部からの資金調達
資金繰りを改善するには、金融機関やノンバンク、公的機関などから運転資金を調達することも検討しましょう。
調達した資金は、資金繰りの改善だけでなく、事業拡大や新しいプロジェクトの資金としても活用できる場合があります。
最後に
運転資金の計算は、「流動資産」と「流動負債」の差額によって算出できます。
運転資金不足に陥らないためにも、まずは資金繰り表を作成し、必要に応じて外部からの資金調達を検討してみてはいかがでしょうか。
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