会社を経営している場合、支払ったお金が経費として認められるのか認められないのかは大きな問題になります。なぜなら、支払ったお金が経費として認められればその分税金を節約することができるためです。借入金の返済は、会社から出ていくお金なので経費として認められるの?という疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。そこで今回は借入金の返済は経費になるのか、また事業資金の中で経費として認められるものにはどんなものがあるのかについてご紹介します。
支払ったお金=経費ではない
「経費」とは、会社の売上を上げるために必要になったお金のことをいいます。会社の売上に関係なく支払ったお金は経費として認められません。つまり、支払ったお金=経費ではないということです。借入金は、会社の利益ではなく、一時的に借りているお金なのでいずれ返さなければいけないお金です。つまり、借りたお金が会社に入金されたとしても、それは会社の売上ではないということです。はじめに説明したように経費として認められるものは、会社の売上を上げるために支払ったお金です。借入金の返済は会社の売上のために支払ったお金ではないので、経費として認められていません。
借入金の利息は経費として認められる
借入金の返済は経費として認められませんが、借入金の利息分は経費として認められます。例えば、元金の返済として1万円、利息分として1,000円、合わせて11,000円の返済をしたとします。元金の返済分の1万円は経費として認められませんが、利息分の1,000円は経費として計上することができます。
借方勘定科目 |
借方金額 |
貸方勘定科目 |
貸方金額 |
摘要 |
借入金 |
10,000円 |
普通預金 |
11,000円 |
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支払い利息 (利子割引料) |
1,000円 |
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利息支払い |
このような形にすると、利息分のみ経費として計上することができます。利息分の勘定科目は「支払い利息」「利子割引料」などとすることができますので、普段会社で使っている勘定科目を利用すれば問題ありません。
会社の経費として認められるものとは?
借入金の返済は経費として認められないというご説明をしましたが、では会社の経費として認められるものにはどのようなものがあるのでしょうか。会社の経費として認められるものには、以下のようなものがあります。
- 人件費
- 10万円以下の消耗品費
- 打ち合わせなどで利用した飲食代(交際費)
- 出張や客先などに行くために移動したときに支払ったタクシー代や交通費(旅費交通費)
- 会社の業務に必要な内容を調べるために購入した本代(新聞図書費)
- インターネットの回線代や電話代(通信費)
会社の売上を上げるために支払ったお金は経費として認められますが、会社の売上に関係なく支払ったお金は経費として認められないということです。個人事業主の場合、自宅で仕事をしている人も多いと思いますが、家賃、水道代、光熱費、電話代など日常の生活と仕事として使用している金額を明確に分けることが難しいものがあります。このような場合は、全額は経費として認められませんが仕事として使用している部分に関しては経費として認められます。
借入金の返済以外に経費として認められないものとは?
借入金の返済と同様に会社のお金を支払ったとしても、経費として認められないものは他にもあります。
- 所得税や住民税(法人税、法人住民税)
- 事業の売上に関係のない飲食代
税金は経費として認められません。他にも事業に関係のない友人との飲食代なども、当然ですが経費として認められません。
経費として認められないものを経費として計上した場合はどうなる?
経費として認められないものを経費として計上したり、プライベートの飲食代を経費として計上したりしてしまうと、追徴課税のペナルティが科せられます。ペナルティを受けてしまいますと、今後銀行などから融資を受ける場合に不利になることがありますので、節税のために経費にならないものを経費として計上しないように注意しましょう。
借入金の返済負担が大きいときは不動産担保ローンを検討
借入金の返済負担が大きいときは不動産担保ローンの利用を検討してみましょう。ご紹介したように、借入金の返済は会社から出るお金にも関わらず経費にすることができません。そのため税金の負担が大きくなり、資金繰りがうまくいかなくなってしまうことがあります。中小企業や個人事業主の場合、銀行の融資を断られてしまうことがありますが、不動産担保ローンの場合は所有している不動産を担保にすることで融資の審査が比較的通りやすい融資方法です。不動産担保ローンを利用する場合は、不動産担保ローンを専門に扱う会社に相談することがおすすめです。
最後に
借入金の返済は、売上に関係のない支払いなので経費にすることができません。そのため、税金の負担が大きくなり、資金繰りがうまくいかなくなってしまった場合は、不動産担保ローンの利用を検討してみましょう。