融資を検討するなかで、保証協会という言葉を聞いたことがあるという人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、保証協会融資とは何か、保証協会を利用して融資を受けるメリット・デメリットについてご紹介します。
保証協会とは？
保証協会とは信用保証協会のことをいいます。信用証協会は、信用保証協会法という法律に基づき、中小企業や小規模企業の事業者が円滑に資金調達を行うことができるように設立された公的機関です。信用保証協会は、全国47都道府県と横浜市、川崎市、名古屋市、岐阜市にあります。
信用保証協会は何を行っているの？
信用保証協会とは、融資を希望する中小企業や小規模企業の事業者が、信用保証協会に信用保証料を支払うことで保証を依頼し、日本政策金融公庫や銀行の融資が受けやすくなるようにサポートしている公的機関です。信用保証協会は、万が一債務者が借り入れたお金の返済できなくなってしまった場合は、融資先の金融機関に代位弁済（だいいべんさい）を行います。代位弁済とは、債権者に代わり、信用保証協会が立て替えて返済をしてくれることを言います。ただし、代位弁財はあくまでも一時的に立て替えてもらうだけなので、債務者の返済義務がなくなるわけではありません。代位弁済が実行された場合は、債務者は信用保証協会に弁済する必要があります。
保証協会融資とは？
保証協会融資とは、信用保証協会に保証人になってもらい、融資を受けることを言います。高額な融資を希望する場合は、連帯保証人や担保を求められることがあります。理由は、貸付金の返済の焦げ付きのリスクを避けるためです。そのため万が一債権者による返済が難しくなってしまった場合は、連帯保証人が債権者に代わって返済を行わなければなりません。つまり、連帯保証人になるということはそれだけの覚悟が必要になるということです。
しかし、信用保証協会に保証人になってもらうと融資が受けやすくなるため、連帯保証人を付けることができない人や、プロパー融資が難しい中小企業や小規模企業の事業主の方でも事業資金の調達がしやすくなります。
保証協会融資のメリット・デメリット
信用保証協会を利用した融資には、メリットもありますがデメリットもあります。メリットとデメリットを理解した上でうまく利用することをおすすめします。
信用保証協会を利用するメリットは、保証人をつけなくても融資の審査が通りやすくなることです。なぜなら、上記でご紹介したように万が一返済が困難になってしまった場合は、信用保証協会に代位弁済を行ってもらうことができるからです。もうひとつのメリットは、一度融資の審査が通ると2回目以降の審査が通りやすくなることです。融資実績がある場合と融資実績がない場合では、融資実績があるほうが審査のときに有利になります。
信用保証協会を利用するデメリットは、融資が実行されるまでの期間が長くなってしまうことです。たとえば、日本政策金融公庫から融資を受ける場合、一般的に融資が実行されるまでの期間は1か月から1か月半程度ですが、信用保証協会を利用して融資を受ける場合は審査に3か月程度かかることがあります。信用保証協会を利用して日本政策金融公庫の融資を受ける場合は、審査が通りやすいというメリットがある反面、信用保証協会の審査に通過するまで融資が実行されないので、融資実行までに時間がかかることを考慮した上で利用する必要があります。
また、仮に返済が難しくなってしまった場合、信用保証協会に代位弁済を行ってもらうことができますが、返済義務がなくなるわけではありません。代位弁済をしてもらった場合は、信用保証協会に弁済することが必要です。返済には利息はつきませんが、指定された期日までに返済ができない場合は遅延損害金が発生しますので注意しましょう。
信用保証協会の利用には審査がある
信用保証協会に申し込みを行えば、誰でも信用保証協会を利用できるわけではありません。信用保証協会に保証人になってもらうためには、金融機関の審査とは別に信用保証協会でも審査が行われます。信用保証協会の審査に通過しなければ、保証協会融資を利用することができません。
保証協会融資が難しい場合は不動産担保ローンを
不動産を所有している場合は、不動産担保ローンを利用して融資を受ける方法を利用することができます。信用保証協会を利用して融資を受けることで、銀行などから直接融資を受けるプロパー融資よりも審査が通りやすくなりますが、保証協会融資を利用するためには、まずは信用保証協会の審査に通過しなければなりません。
不動産担保ローンを利用する場合は、所有している不動産を担保にする必要がありますが融資限度額も大きく、返済期間も長く設定されていますので、必要額の融資が受けられる可能性が高く、返済期間も余裕があるため月々の返済の負担を減らすことも可能です。保証協会融資の審査の通過が難しい場合は、不動産担保ローンの利用を検討してみましょう。
最後に
プロパー融資が難しい場合は、保証協会融資を利用すると融資が受けられる可能性が高くなります。しかし、ご紹介のように、保証協会融資を利用するためには、信用保証協会の審査に通過しなければなりません。不動産担保ローンの場合は所有の不動産を担保にする必要はありますが、通常の金融機関の審査よりも審査が通りやすく、融資限度額も高いので希望額の融資が受けられる可能性があります。保証協会融資の利用が難しい場合は、不動産担保ローンを専門に扱っている会社に相談してみましょう。
