もしも何の条件もなくお金を貸してくれる人がいるとしたら…。銀行融資はもちろん、カードローンも利用できず、お金を借りる当てがない人にとっては、藁にもすがる思いでお金を借りたくなってしまいますよね。最近よく見かけるようになったのがソーシャルネットワークサービス(SNS)やLINEなどを利用したお金の貸し借りです。そこで今回は、SNSなどで見かける個人間融資、対面融資とは何か、個人間融資でお金を借りるメリットやデメリットについてご紹介します。
ソーシャルレンディング(個人間融資)とは
最近注目されている融資方法の1つにソーシャルレンディング(個人間融資)というものがあります。ソーシャルレンディングとは、投資信託などを行っている会社がお金を投資したい投資家とお金を借りたい企業などをマッチングさせ、仲介を行うサービスのことをいいます。
日本には高い技術力を持ちながら、金融機関から経営者が希望する融資を受けられず、高い技術力が十分に発揮されていない会社が多く存在します。資金を調達したい企業と、資金が足りないために企業の発展が難しい会社を応援したい投資家を結び付ける金融システムがソーシャルレンディングです。
個人間融資という言葉には、ソーシャルレンディング以外にSNSやLINE上で見かける個人同士で行う個人間融資があります。ソーシャルレンディングと個人間で行うお金の貸し借りはまったく別のものなので注意しましょう。
個人間融資・対面融資とは?
個人間融資、対面融資とは、SNSやLINEなどを利用して個人で融資をすることを言います。SNSやLINEのみでやり取りをすることもありますし、直接会ってお金のやり取りをする対面融資もあります。
個人で融資を受ける方法としてはカードローンなどがありますが、カードローンの申し込みには審査があるため、過去に何度も返済が滞った経験がある人や定職がない人、債務整理をした人などは融資の申し込みやカードローンの審査に通過することはほとんど不可能です。
そのため、個人でお金を借りられるのであれば利用したいと思う人もいるかもしれませんが、SNSやLINEを使った個人間融資や対面融資を安易に利用すると、トラブルに巻き込まれてしまうことがありますので注意するようにしましょう。
個人間融資のメリット・デメリット
個人間融資のメリットは、通常のカードローンなどの審査が難しい人であっても融資が受けられることです。ですが、個人間融資の場合、法律に基づいた貸付ではないため、高金利での貸付が行われたり、個人情報が悪用されたり、罰則の対象になることもありますので注意が必要です。
個人であっても反復した金銭の貸付は貸金業に該当する
ローン会社などと違い、個人間でのお金の貸し借りは親族や知人からお金を借りるのと変わらないので、法に触れる可能性はないと思ってしまっている人もいるかもしれません。しかし、たとえ個人であっても継続反復する意思を持ってお金の貸付を行うことは貸金業に該当します。
貸金業を営む場合は、国または都道府県の登録が必要です。登録せずにお金の貸付を行う行為は、貸金業法という法律に違反していることになります。ソーシャルネットワークサービスを利用したこのような個人間融資は、融資した側だけではなく融資を受けた側も罰則の対象になります。
また貸金業に基づいた登録が行われていない個人間融資の場合は、違法な高金利での貸付が行われたり、個人情報が悪用されたりしてしまう可能性があります。トラブルに巻き込まれないようにするために、違法な個人間融資は利用しないようにしましょう。
債務整理中であっても不動産担保ローンであれば利用できる可能性も
SNSやLINEを利用した個人間融資は、トラブルに巻き込まれてしまう可能性が高いだけではなく、お金を借りた人も罰則の対象になってしまうことがあります。では、債務整理中や債務整理の経験のある人が融資を受けられる方法はあるのでしょうか。
融資を受けたい本人または家族などが所有している不動産がある場合は、不動産担保ローンが利用できる可能性があります。ただし、家族が所有している不動産を担保にする場合は、本人の承諾が必要なので注意してください。過去に債務整理の経験があったとしても、個人信用情報機関の掲載期間が経過している場合は審査に通る可能性が高いと言えます。債務整理中、または個人信用情報機関に掲載されている場合であっても、不動産担保ローンであれば審査に通過する可能性があります。ただし、債務整理中の場合は新たなローンの契約が禁止されているケースもありますので、事前に弁護士や司法書士に相談してから申し込みをすることがおすすめです。
また、銀行や大手不動産ローン会社の場合は審査に通らない可能性が高いので、債務整理中や債務整理の経験がある人の場合は、中小企業の不動産担保ローン会社に相談してみると良いでしょう。
最後に
通常のカードローンなどの申し込みが難しい場合、ソーシャルネットワークサービスを利用した個人間融資を利用したくなってしまう気持ちは十分に理解できます。しかし、今回ご紹介のように個人間融資はリスクが高く、思いがけないトラブルに巻き込まれてしまう可能性がありますので注意が必要です。過去に債務整理の経験がある人や現在債務整理中であったとしても、本人または家族が不動産を所有している場合、所有している不動産を担保に融資を受ける不動産担保ローンを利用すれば融資が受けられることがあります。ただし、債務整理中の人は新規でローンを組むことが禁止されているケースもあります。事前に担当の弁護士または、司法書士に相談してから申し込みを検討するようにしましょう。