開業資金や事業資金の調達方法として、ソーシャルレンディングという言葉を聞いたことがありますか？ここでは、新しい資金調達の仕方として利用されているソーシャルレンディングとはどのようなものなのか、ソーシャルレンディングによるリスクや危険性についてご紹介します。
ソーシャルレンディングとは
ソーシャルレンディングとは、資金調達をしたい企業と投資家のマッチングを行う仕組みのことです。ソーシャルレンディングは、融資型クラウドファンディングとも呼ばれ、ソーシャルレンディングによって投資家から集めた資金は、企業側に「融資」という形で提供されるため、企業側はまとまった資金を調達することが可能です。
ソーシャルレンディングは、企業側にとっては開業資金や事業資金の新しい調達方法として、投資家にとっては資産形成を目的とした投資手法として、注目を集めています。
ソーシャルレンディングはファンドの1種ですが、株式投資などとは違い、ソーシャルレンディング事業者が企業と投資家の媒介を行っているため、投資家が直接企業に投資を行う仕組みではありません。
ソーシャルレンディングを利用するメリット・デメリット
開業資金や事業資金としてソーシャルレンディングを利用するメリットは、銀行や公的機関からの融資とは違い、会社自体の信頼性ではなく、どんなプロジェクトに対しての融資が必要なのかが重視される点です。
一般的に、経営実績がない創業前の企業や創業して間もない企業が銀行や公的機関から融資を受けることは困難だと言われています。しかし、ソーシャルレンディングであれば、プロジェクトの内容が投資に値すると判断されれば、実績に関係なく審査が受けられる可能性が高くなります。
また、プロジェクト単位で融資を受けることが可能なので、必要最小限の融資を受けることが可能なだけではなく、早期償還を行うことで利息分の返済を減らせることもメリットと言えます。
反対にデメリットは、銀行や公的機関などの融資と比較すると金利が高いことです。また、金利以外にも運用手数料が必要になるため、その分返済の負担が大きくなります。不動産などを担保にできる場合は金利を抑えることも可能ですが、万が一返済ができなくなってしまった場合は担保にした不動産を失う可能性があります。
希望募集額に満たなかった場合はどうなる？
ソーシャルレンディングの場合、投資家の出資額が希望募集額に満たなかった場合であっても、一定の条件をクリアしていれば、集まった金額を上限に融資を受けることができます。一方で、希望募集額に達した場合であっても、ソーシャルレンディング事業者が貸付を行わないと判断した場合は、融資を受けられないこともあるので注意が必要です。
ソーシャルレンディングのやり方
ソーシャルレンディングによる資金調達は、以下の手順で申し込みを行います。
1.ソーシャルレンディング事業者に連絡をして、サービス内容を確認する
2.必要な書類を揃え、申込を行う
3.審査に通過したら、担当者と金額、金利、期間などを確認する
4.事業者サイトに融資の募集内容が掲載される
5.目標額に達したら融資が実行される
はじめてソーシャルレンディングによる融資を受ける場合は、内容がよくわからないことも多いので、不安な点やわからない点は担当者に確認してから申し込みを行うことをおすすめします。
ソーシャルレンディングによる資金調達は危ない？
ソーシャルレンディングによる資金調達は、企業の実績ではなくプロジェクト内容が重視されるため、新しい資金調達方法として有効な手段の1つと言えます。
しかし、銀行や公的機関からの融資と比較すると、金利が高いだけではなく手数料が必要になることや、必ずしも希望額の融資が集まる保証がないこと、担保が必要になるケースがあることなどから、プロジェクトの内容によってはソーシャルレンディングによる資金調達が難しいケースがあります。
不動産担保ローンを活用した資金調達も検討を
ソーシャルレンディング事業者によっては、ソーシャルレンディングによる融資を受ける際に不動産などの担保が必要になることがあります。
ソーシャルレンディングの申し込みの際に不動産などの担保が必要であるケースであれば、最初から不動産担保ローンを利用した方が金利を抑えることができ、返済期間を長く設定できる可能性もあるかもしれません。
ソーシャルレンディングによる融資は、企業の実績ではなくプロジェクトの内容が重視されるため、創業前の会社や創業して間もない会社であれば、資金調達の方法として有益となる可能性があります。しかし金利が高く手数料も必要になるため、返済の負担が大きくなってしまうというデメリットもあります。
不動産担保ローンであれば、同じように会社の実績がなくても、担保となる不動産に価値があれば審査に通過できる可能性があります。事業資金調達のために不動産などの担保が必要になる場合は、ソーシャルレンディングではなく不動産担保ローンの検討をしてみてはいかがでしょうか。
最後に
ソーシャルレンディングによる資金調達は、資金調達をしたい企業側だけではなく、少額から投資を始められるため初心者にも始めやすい資産運用の1つとして注目をされています。ただし、ソーシャルレンディングによる資産調達は投資家から資産を集める仕組みになっているため、必ずしも必要な金額の融資が受けられるという保証はありません。
また、ソーシャルレンディングを利用するためには不動産などの担保が必要になるケースもあります。不動産担保ローンは、ソーシャルレンディングよりも仕組みがシンプルでわかりやすいだけではなく、金利を抑えられる可能性があります。担保が必要になる資金調達を行う場合は、ソーシャルレンディングではなく不動産担保ローンによる融資を検討してみましょう。
