新型コロナウイルスの感染防止に伴い、営業自粛などの影響で経営状態が悪化している事業者に対してさまざまな経済対策が打ち出されました。その中でも、個人事業主や中小企業の経営者が利用したいのが、返済する必要がない補助金、助成金、給付金ですね。そこで今回は、個人事業主が利用できる新型コロナウイルス感染症関連の補助金、助成金、給付金についてご紹介します。
持続化給付金(じぞくかきゅうふきん)
持続化給付金は、売上が前年同月比50%以上減少している事業主が申請できる給付金です。中堅、中小企業、小規模事業者は、上限200万円の給付を受けることができますが、個人事業主の給付金の上限は100万円となっています。
給付対象者
中堅、中小企業、小規模事業者、フリーランスを含む個人事業主
給付額
給付額は、前年の総売上から前年の同月比の50%に12か月分をかけた金額を差し引いた金額で、個人事業主の場合は、上限100万円の給付を受けることができます。
前年の総売上(事業収入)-(前年同月比▲50%月の売上×12か月)=給付額(ただし、個人事業主の場合は上限100万円)
申請方法
申請は持続化給付金のホームページから行います。パソコンからだけではなくスマホからでも申請が可能です。申請の際は、「2019年分の確定申告書第一表」、「所得税青色申告決算書の控え(白色申告の場合は2019年分の確定申告書第一表)の控え(1枚)」、「売上台帳や帳簿等、対象月の月間事業収入がわかるもの(2020年〇月のように明確に表記されているもの)」、「申請者本人名義の口座通帳の写し」、「本人確認書類(住所・氏名・明瞭な顔写真のある身分証明書)」を添付する必要があります。申請から2週間程度で指定した口座に振り込まれます。
家賃支援給付金(やちんしえんきゅうふきん)
家賃支援給付金は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、自粛要請などによって売上が急減した事業者が事業継続を可能にするため、固定費の中でも大きな負担となっている地代、家賃の負担の軽減を目的としており地代、家賃の支払いの一部として給付金を受けることができます。
給付対象者
以下の条件を満たす事業者
中堅企業、中小企業、小規模事業者、個人事業者等であって、5月~12月においていずれかの1か月の売上高が前年同月比で50%以上減少、または連続する3ヶ月の売上高が前年同期比で30%以上減少している場合
給付額
申請時の直近の支払家賃(月額)に基づき算出される給付額(月額)の6倍(6カ月分)
個人事業主の場合、支払い家賃が月額37.5万円までの給付率は2/3(上限25万円)、37.5万円を超える場合の給付率は1/3(上限50万円)
ただし、本事業は令和2年度第2次補正予算の成立を前提としているため、事業内容が今後変更等されることがあります。
申請方法
申請方法は決定次第、経済産業省のホームページなどで発表されます。
新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応支援金
新型コロナウイルス感染症拡大防止のため小学校等が臨時休業したことによって、契約した仕事ができなくなってしまった保護者が受けられる支援金です。
給付対象者
以下の内容のすべてに該当する保護者
- 保護者であること
- 新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、臨時休校になっている学校に通学している子どもや新型コロナウイルスに感染した子どもの世話をしていること
- 小学校の臨時休業前に業務委託契約を締結していること
- 小学校等が臨時休校をしているため、業務委託に基づき予定されていた日時に業務を行うことができなくなったこと
給付額
1日あたり4,100円
申請方法
必要書類を厚生労働省のホームページよりダウンロードし、学校等休業助成金・支援金受付センターに送付します。学校等休業助成金・支援金受付センターの提出先は都道府県により異なりますので、送付先は厚生労働省ホームページでご確認ください。
各都道府県で独自の支援金を支給しているケースも
新型コロナウイルス感染拡大防止に伴い、各都道府県から休業要請を受けた事業主に対して支援金を支給している都道府県もあります。詳細は、お住まいの都道府県のホームページ等で確認してください。
補助金・助成金・給付金では対応しきれない場合は?
個人事業主が利用できるコロナウイルス感染症関連の補助金、助成金、給付金、支援金はいくつかありますが、ご紹介のように中小企業や小規模事業者と比較した場合、個人事業主の場合は給付される上限が低くなっているものが多いため、補助金や給付金などで対応しきれないこともあります。そのような場合は、不動産担保ローンを利用して融資を受ける方法があります。不動産担保ローンは、所有している不動産を担保にすることで個人事業主でも比較的審査が通りやすい融資方法です。補助金や給付金の支給を受けても事業の立て直しが難しい、経済的に大変な状況を改善することが難しい場合は、不動産担保ローンの利用を検討してみましょう。
最後に
新型コロナウイルス感染症の拡大防止に伴い、休業を余儀なくされたり、子どもの学校の休校に伴い、仕事ができなくなったりしてしまった個人事業主に対して給付される補助金や給付金はいくつかあります。しかし、小規模事業主や中小企業の事業者よりも個人事業主の場合は給付金の上限が低いことが多く、給付金が受給できたとしても悪化した経済状況の立て直しが難しいこともあります。また、融資を受ける場合でも個人事業主は融資の審査が通りにくいことがあります。給付金では状況を変えることができない、融資も受けるのが難しい場合は、不動産担保ローンの利用を検討してみましょう。不動産担保ローンは、不動産を担保にすることで個人事業主でも比較的審査が通りやすい融資方法です。不動産担保ローンの利用を検討する場合は、不動産担保ローンを専門に扱っている会社に相談することをおすすめします。