抵当権という言葉は聞いたことがあっても、後順位抵当権者とか抵当権の順位についてはよくわからないという方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、抵当権の順位とは何か、抵当権の順位によって何か違うのかなど、抵当権の順位と抵当権に関する権利についてわかりやすく解説します。
抵当権とは
抵当権とは、不動産などを担保に融資を受けた際に返済ができなくなってしまったときに担保を売却し、融資したお金を回収できる権利のことです。1つの不動産に対して複数の抵当権をつけることが可能で、抵当権を付けた順番によって回収できる権利の順位が変わります。
抵当権の順位と権利
抵当権は、1つの不動産に対して複数の抵当権をつけることができるという紹介をしましたが、担保を売却し、貸したお金を回収する際は、第一抵当権者が優先されます。第二抵当権者以降の後順位抵当権者は、第一抵当権者の回収が終わり、残った分で第二抵当権者以降が回収することになります。もし、第一抵当権者の回収が終わった時点で残りがなければ、第二抵当権者以降の人は全額回収ができなくなる可能性があるということです。
つまり、先順位抵当権者であるほど有利になり、後順位抵当権者になるほど不利になります。
一般的に住宅ローンなどの場合は第一順位抵当権でなければいけないという決まりがありますが、不動産を担保に融資を受ける場合は第二順位抵当権以降でも融資が受けられる場合があります。また、抵当権の順位は変更することも可能ですが、その場合は抵当権をつけている債権者の合意が必要で、順位の変更を行った場合は登記が必要になります。
抵当権付き不動産を担保に融資は受けられる？
抵当権がついた不動産を担保に融資が受けられるかどうかは、融資を受ける会社によって条件が異なります。
たとえば、「第一抵当権がつけられなければ融資はできない」という条件がある場合は、すでに抵当権のついている不動産の抵当権は第二抵当権以降になってしまうため、融資を受けることができません。
第二抵当権以降でも融資が受けられる会社であれば、すでに抵当権がついている不動産を担保に融資が受けられる可能性があります。
すでに抵当権がついている不動産を担保に融資を受けたい場合は、融資を希望する金融機関やローン会社に相談してみることをおすすめします。
後順位抵当権者でも不動産担保ローンは利用できる？
後順位抵当権者の場合、不動産担保ローンは利用できないかというと必ずしもそうとうは限りません。
後順位抵当権者の場合、万が一返済が滞ってしまった場合、担保の売却益から回収できる順位が下がるので、融資した金額のすべてを回収できなくなるというリスクが大きくなります。
そのため、抵当権の順位が下がるほど融資が受けられる条件は厳しくなります。しかし、後順位抵当権者であったとしてもすでに抵当権を設定している債権者からの融資額が少ない場合や、返済が進み、残債が少なくなっている場合は、後順位抵当権者であっても不動産担保ローンが利用できる可能性があります。
ただし、後順位抵当権者の場合はリスクが高くなり、審査に時間がかかることがありますので注意しましょう。
後順位抵当権で融資を受ける場合はノンバンクの方が借りやすい
後順位抵当権でも、先順位抵当権の融資額に余裕がある場合や残債が少なくなっている場合は、不動産担保ローンの融資を受けられる可能性があります。しかし、銀行が扱っている不動産担保ローンの場合は、「第一抵当権が設定できること」を条件にしていることも多いため、後順位抵当権で不動産担保ローンの利用を検討している場合はローン会社などのノンバンクの会社を検討することがおすすめです。
抵当権は抹消によって順位が変わる
住宅ローンによって不動産に第一抵当権が設定されていた場合はローンの完済によって抵当権は消滅しますが、登記簿謄本に記載された抵当権を抹消するためには抹消登記が必要です。ローンが完済していても登記簿謄本の抹消登記が行われていない場合は、第二抵当権以降の抵当権が設定されることになってしまうため、融資の審査が不利になります。
住宅ローンが完済し、登記簿謄本の抹消登記を行っていない場合は、速やかに手続きを行うようにしましょう。
最後に
抵当権とは、融資を受けたお金が返済できなくなってしまった場合、債権者が担保を売却して残債が回収できる権利です。1つの不動産に対して複数の抵当権を設定することができますが、抵当権の順位によって回収できる順番が決まっているため、後順位抵当権者であればあるほど回収できなくなるリスクが高くなります。そのため、後順位抵当権者の場合は必ずしも不動産担保ローンが利用できないということではありませんが、審査に通らない可能性は高くなります。
後順位抵当権で不動産担保ローンの利用を検討している場合は、協和信用保証株式会社にご相談下さい。協和信用保証株式会社は、不動産担保ローンに特化したローン会社です。不動産担保ローンに関するノウハウを活かし、お客様に最適なプランのご提案を行っています。すでに抵当権のついている不動産を担保に融資を検討している方は、お気軽に協和信用保証株式会社までお問合せください。
