


60歳を超えてから、老後を見据えてマイホームの建て替えや住み替えを検討する方もいるのではないでしょうか。
しかし、住宅ローンには申込時や完済時の年齢条件があり、「60歳からでも借りられるのか」と不安を感じる方も少なくありません。
この記事では、60歳から住宅ローンを組む場合の年齢条件や審査のポイント、返済期間や団信などの注意点を解説します。
60歳からでも、金融機関が定める年齢や収入などの条件を満たせば、住宅ローンに申し込むことは可能です。
例えば、住宅金融支援機構の「フラット35」は、申込時の年齢を満70歳未満としています。
借入期間は最長35年ですが、「80歳-申込時の年齢(1年未満切り上げ)」が上限となるため、年齢が高くなるほど選択できる返済期間は短くなるでしょう。
また、住宅ローンの審査では年齢だけでなく、健康状態や年収、返済負担率なども重視されます。
国土交通省の「令和7年度 民間住宅ローンの実態に関する調査」によると、金融機関が融資審査で考慮する項目は、以下のとおりです。
● 完済時年齢:98.4%
● 借入時年齢:96.2%
● 健康状態:96.1%
● 年収:94.2%
● 勤続年数:93.9%
● 担保評価:91.0%
● 返済負担率:90.9%
特に完済時年齢については、具体的な基準を回答した金融機関のうち、「80歳未満」とする回答が716機関と最も多くなっています。
つまり、60歳だから住宅ローンを利用できないわけではありませんが、完済時年齢から逆算すると借入期間が限られやすいため、借入額や毎月の返済額を慎重に検討する必要があります。
60歳から住宅ローンを組む場合は、年齢条件を満たすだけではなく、無理なく返済できる資金計画を立てることが重要です。
ここでは、住宅ローンの審査を受ける際に押さえておきたい3つのポイントを解説します。
頭金を多めに用意すれば住宅ローンの借入額を減らせるため、毎月の返済負担も抑えられます。
住宅ローン審査では、年収に占める年間返済額の割合である「返済負担率」も重要な項目です。国土交通省の調査では、90.9%の金融機関が返済負担率を審査項目としています。
例えば、フラット35では、自動車ローンや教育ローン、カードローンなどを含めた年間合計返済額について、年収400万円未満なら年収の30%以下、400万円以上なら35%以下という総返済負担率の基準を設けています。
ただし、60歳以降は退職後の生活費や医療・介護費なども考えておかなければなりません。退職金や預貯金を必要以上に頭金へ回すのではなく、手元に残す資金とのバランスを考えましょう。
住宅ローンの審査基準や年齢条件、利用できる団信などは金融機関によって異なります。そのため、自分の年齢や収入、希望する借入期間に合った住宅ローンを複数比較することが大切です。
ただし、審査に通る可能性を高めようとして、短期間にむやみに多くの金融機関へ申し込むことはおすすめできません。
指定信用情報機関のCICでは、ローンなどの申し込みに伴って加盟会社が信用情報を照会した事実を「申込情報」として、照会日から6か月間保有しています。
まずは金融機関ごとの年齢条件や返済期間、金利、団信などを比較して候補を絞り、事前審査を活用しながら申し込むとよいでしょう。
親子リレーローンとは、親と子などが連帯して住宅ローンを借り入れ、将来的に子どもなどの後継者が返済を引き継ぐ仕組みです。
フラット35の「親子リレー返済」では、後継者の年齢をもとに借入期間を計算するため、申込者本人の年齢だけで計算する場合より長い返済期間を設定できることがあります。
また、親子リレー返済を利用する場合は、申込者本人が満70歳以上でも申し込みが可能です。
例えば、住宅金融支援機構が示す例では、申込者が60歳3か月、後継者が30歳3か月の場合、通常は最長19年ですが、親子リレー返済を利用すると最長35年まで設定できます。
ただし、後継者には、申込者の子・孫などまたはその配偶者で定期的な収入があること、申込時に満70歳未満であること、連帯債務者になることなどの条件があります。子どもにも長期にわたって返済義務が生じるため、本人の住宅購入やライフプランに影響しないかを含め、家族で十分に話し合ったうえで利用しましょう。
60歳から住宅ローンを組む場合、借りられるかどうかだけでなく、退職後も無理なく返済を続けられるかを考えることが重要です。
特に、返済期間と団体信用生命保険については、申し込み前に確認しておきましょう。
60歳以降に住宅ローンを組む場合は、完済時年齢の上限によって返済期間が短くなりやすい点に注意が必要です。
国土交通省の令和7年度調査では、完済時年齢を審査項目としている金融機関は98.4%に上り、具体的な上限については「80歳未満」と回答した金融機関が最も多くなっています。
フラット35の場合も、借入期間は原則として「80歳-申込時の年齢(1年未満切り上げ)」が上限です。例えば60歳3か月で申し込む場合は、年齢を61歳として計算するため、通常の借入期間は最長19年となります。
同じ金額を借りるのであれば、返済期間が短いほど毎月の返済額は大きくなります。
返済期間中に定年退職を迎える場合は、給与収入から年金などを中心とした収入へ変化するため、「現在の収入なら返せるか」だけでなく、「退職後の収入でも返し続けられるか」を基準に資金計画を立てることが重要です。
団体信用生命保険(団信)は、住宅ローンの契約者が死亡するなど所定の状態になった場合に、保険金によって住宅ローン残高が返済される仕組みです。
国土交通省の令和7年度調査では、96.1%の金融機関が「健康状態」を住宅ローンの審査項目としており、健康状態について具体的な回答をした金融機関では、「団信への加入が必要」とした回答が834機関ありました。
団信には健康状態に関する告知や審査があるため、持病や治療歴などによっては加入できないことがあります。また、フラット35の「新3大疾病付機構団信」は、申込書兼告知書の記入・入力日時点で満15歳以上満51歳未満が加入条件となっており、51歳以上は加入できません。
60歳以降に住宅ローンを検討する場合は、借入条件だけでなく、「どの団信に加入できるのか」「加入できない場合に家族へ債務が残らないか」まで確認しておくことが大切です。
60歳からでも住宅ローンを組むことは可能ですが、完済時年齢によって返済期間が短くなるなど、希望どおりに借りられない場合があります。すでに土地や自宅などの不動産を所有している方は、不動産担保ローンによる資金調達も選択肢の一つです。
協和信用保証株式会社では、不動産担保ローンに特化した融資に対応しています。住宅ローン返済中の不動産や2番・3番抵当、共有持分などについても相談可能です。
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