開業を考えたときに頭を悩ませるのが開業資金です。どれくらいの開業資金があれば開業できるのか相場を知りたいという方や、自己資金ゼロでも開業できるのかが知りたいという方も多いでしょう。そこでこの記事では、開業資金の相場や自己資金ゼロで開業する方法などを紹介します。
開業資金の相場とは
開業資金の相場は、業種や規模、設備などの条件によって異なります。とはいえ一般的な相場を理解しておくと、どんな開業スタイルが可能なのか、資金をどのように調達したら良いかといった具体的なイメージをしやすくなるのではないでしょうか。
まずは、開業資金の内訳とそれぞれの相場を紹介します。
物件取得費用
物件取得にかかかる費用としては、土地や建物の購入費または賃貸物件の初期費用(賃料の3~10か月程度)が必要です。
また、内装工事費用は開業する業種や形態によって大幅に変わります。内装を簡素にするのか、凝った内装にするのかによっても費用が変わるため、150万円程度で抑えられる可能性もありますが内装費が1,000万円以上かかることもあるでしょう。
設備費用
設備費用は、開業する業務に必要な設備を揃えるための費用です。
例えば、飲食店であれば厨房設備など、サロンなどであれば施術に必要な機器などです。設備費は業種によって大幅に金額が異なるため、必要な機材をすべて購入するのではなくリースなどをうまく利用することで設備費を抑えることが大切です。
備品代
備品代とは、パソコン、デスク、チェア、電話など開業に必要なものを購入する費用です。備品代も開業する業種や規模によって必要な物が異なりますが、20万~60万ほどかかることがあります。
運転資金
どんな職種でも開業後すぐに利益が出せるケースはほとんどありません。開業に直接必要な費用の他に、当面の運転資金も必要です。運転資金は最低でも3か月程度は必要だと言われていますが、運転資金をしっかり確保しておくと開業後の経営が楽になります。
その他の費用
研修が必要な場合は研修費が必要になることもありますし、広告宣伝費としてホームページの作成料やチラシなどの作成料が必要になるケースもあります。
開業資金調達の方法
開業資金の調達する方法はいくつかありますが、一般的によく利用されている方法を紹介します。
自己資金
自己資金が準備できる場合は、ある程度自己資金を準備しておきましょう。
どんな業種であったとしても開業に必要な費用を全額自己資金で賄えることはほとんどないため、公共機関や銀行、ローン会社などを利用して融資を利用することが一般的です。
特に日本政策金融公庫や銀行などから融資を希望する場合、自己資金が少ないと審査が通らないことがあります。自己資金の額は決まっていませんが、一般的には融資希望額の1割程度の自己資金があると融資に通りやすくなると言われています。
身内または知り合いから借りる
自己資金で足りないときは、身内または知り合いから借りる方法があります。
すべての人が利用できる方法でありませんが、無利子で借りられることも多いので身内や知り合いから借りられる場合は検討してみても良いでしょう。ただし、借りた金額を明確にして、必ず返済することが大切です。
日本政策金融公庫や銀行から融資を受ける
日本政策金融公庫は政府が100%出資している機関なので、銀行などと比較すると金利が低いのが特徴です。
ただし、準備しなければならない書類が多く、融資が必要な理由を明確に提示できない場合は審査に通らないこともあります。
銀行などの金融機関も融資を申し込めば必ず審査に通るわけではありません。
普段お付き合いのある銀行や開業資金などの融資実績の多い銀行に相談してみると良いでしょう。
不動産担保ローンを活用する
本人または家族が不動産を所有している場合は、不動産担保ローンを活用することができます。不動産担保ローンとは、本人または家族が所有している不動産を担保に融資を受ける方法です。
担保となる不動産に価値が認められれば比較的審査に通りやすい方法なので、不動産を所有している場合は不動産担保ローンを活用も検討してみましょう。
自己資金ゼロで開業する方法
不動産担保ローンを活用すれば、自己資金がゼロでも開業することが可能です。
不動産担保ローンの特徴は、一般的なローンと比較すると金利が低く、返済期間が長く設定でき、資金使途(お金の使い道)が限定されていないことです。また、金利が低く、返済期間を長く設定することができるので、返済の負担を減らすことができるだけではなく、不動産を担保にすることで審査が通りやすくなるというメリットもあります。
担保不動産の評価額によって融資上限額は異なりますが、高額な融資を受けることも可能なので自己資金ゼロで開業したい場合は、不動産担保ローンを活用するのも一つの方法です。
ただし、返済ができなくなってしまった場合は担保の不動産を失ってしまう可能性があるため、無理のない返済計画を立てるなどの注意も必要です。
最後に
開業する業種やスタイル、規模などによって必要な開業資金は異なります。しかし、開業資金は高額になることが多く、開業資金の調達方法をしっかり確保しておくことが必要です。開業資金の調達方法には、自己資金、日本政策金融公庫の利用、銀行からの融資、ローン会社からの融資、身内や知人からの借り入れなどがありますが、金利が抑えられるものは融資の審査が厳しい傾向があります。
自己資金がゼロの人や日本政策金融公庫や銀行からの融資が難しい場合は、不動産担保ローンの活用を検討してみましょう。不動産担保ローンは、不動産を担保にすることで比較的審査に通りやすいだけではなく、「金利が低い」「資金使途が限定されていない」「返済期間を長く設定できる」「高額な融資も可能」といった特徴があります。昭和信用保証株式会社は、不動産担保ローンに特化した融資をおこなっています。開業資金のご相談や、不動産担保ローンに関するご質問はお気軽に協和信用保証株式会社にご相談ください。