農地担保融資とは?土地を担保にお金を借りる方法と担保にできる土地の種類

所有している土地を担保にお金を借りたいと考えたとき、その土地が「農地」である場合には注意が必要です。農地は農地法という法律によって取得や売買、利用が制限されており、一般的な不動産担保ローンの担保として設定することが難しいケースが多いのが実情です。

この記事では、農地担保融資とはどのような仕組みなのか、農地での融資がなぜ難しいのかを解説したうえで、不動産担保ローンで担保にできる土地の種類と、土地を担保にお金を借りる方法について詳しくご紹介します。農地以外の土地を所有している方にも、ぜひ参考にしていただければと思います。

目次

農地担保融資とは

農地担保融資とは、所有している農地(田や畑)を担保に設定して資金を調達する融資のことです。

所有する土地や建物を担保に設定してローンを申し込むことを不動産担保ローンと呼び、個人や法人の資金調達の方法として広く活用されています。ただし、不動産であれば何でも担保に設定できるわけではなく、そもそも担保に設定することができない不動産や、担保価値が低いと評価される不動産が存在します。

農地もその一つです。農地法により取得や売買が制限されているため、一般的な不動産担保ローンの担保として設定するのが難しいのが現状です。

なぜ農地は不動産担保ローンの担保に設定しにくいのか

農地が不動産担保ローンの担保として設定しにくい理由は、農地が持つ法律的な制限にあります。

農地法と呼ばれる法律では、農地は農業用の土地としてしか利用できないこと、農地の取得は農業関係者でなければならないことなどが定められています。言い換えれば、一般の人が自由に購入できる土地ではなく、農業以外の用途で利用することもできない土地です。

金融機関が不動産担保ローンの審査をする際には、「万が一返済が滞った場合に、担保となる不動産を売却して融資金を回収できるか」という観点で担保評価を行います。農地は売却先が農業関係者に限定されており、一般の不動産市場での流通が非常に難しいため、担保としての価値が低いと判断されるケースが多いのです。

再建築不可物件と同様に、農地は多くの金融機関で「担保に設定できない不動産」として扱われることが一般的です。

農地を担保にお金を借りる方法はあるのか

農地の取得や売買が制限されているからといって、農地を担保にした融資が絶対に不可能というわけではありません。いくつかの方法が考えられます。

農地転用による不動産担保ローンの活用

農地を農地以外の利用目的として登記変更する「農地転用」により、所有する農地を担保提供して不動産担保融資を受けられるケースがあります。

農地転用が許可される可能性がある農地は「第3種農地」と呼ばれる、市街地にある区域内の農地です。国や都道府県の方針として、そのエリア一帯を市街地として整備していく計画があり、すでに周辺には建物が建っているような場合に、まだ農地のまま残された土地のことをいいます。

一方、生産性の高い優良農地と判断される「農用地区域内農地」の場合は、国の政策として農地転用が許可されていません。農地転用の可否や手続きは所有する農地を管轄する農業委員会に確認が必要で、申請書類を農業委員会に提出し、都道府県知事の許可を得ることで農地転用が完了します。

農地転用が完了し、農地以外の土地に変更されれば、その土地を担保に不動産担保ローンを申し込むことができるようになります。

農協(JA)からの融資を検討する

農地転用の許可が下りなかった場合でも、農業を行うための設備投資や運転資金を調達するための融資として、農協(JA)などが提供している農業者向けの融資制度を活用できる場合があります。

担保価値が認められる農地の場合

農地のままであっても、売り手がすぐにつくような需要の高い農地については、不動産担保ローンの審査で不動産としての価値があると判断され、担保に設定できるケースもあります。農地のまま担保に設定できるかどうかは、不動産担保ローン専門会社や銀行に相談してみるのが一番の近道です。

農地以外の土地でも担保にできないケースがある

農地に限らず、土地を担保にお金を借りようとするとき、担保として設定しにくいケースがある土地の種類があります。あらかじめ知っておくと、融資の申し込みがスムーズになるでしょう。

再建築不可物件

建築基準法で定められた「接道義務」(幅員4m以上の道路に2m以上接していること)を満たしていない土地は、再建築不可物件となります。現在の建物を取り壊しても新しい建物を建てられないため、担保評価が低くなるか、担保対象外とされるケースがあります。

市街化調整区域内の土地

市街化調整区域とは、住宅や商業施設などの建設を抑制するよう定められた区域です。原則として建物を建築できないため、担保評価が低くなる傾向があります。ただし、自治体や条件によっては担保設定ができる場合もあるため、一概に対象外とはなりません。

借地権付き土地(底地)

土地の所有者が他者に土地を貸している「底地」は、土地の利用が制限されているため、担保評価が低くなりやすいです。

不動産担保ローンで担保にできる土地の種類

農地での融資が難しい場合は、他に所有している不動産・土地を担保に不動産担保ローンを活用することを検討してみましょう。ここでは、不動産担保ローンで担保にしやすい土地の種類を紹介します。

宅地(地目:宅地)

最も担保評価がつきやすい土地が宅地です。住宅や店舗、事務所などの建物が建てられる土地で、都市部の宅地であれば高い評価額がつきやすく、高額融資にも対応しやすくなります。

自宅や事務所、店舗が建っている土地は、基本的に宅地として担保評価の対象になります。住宅ローンの残債がある場合でも、担保余力(評価額から残債を差し引いた金額)があれば、第二抵当権を設定して不動産担保ローンを申し込めるケースがあります。

雑種地(地目:雑種地)

雑種地とは、宅地や農地など他のどの地目にも当てはまらない土地のことです。駐車場や資材置き場として利用されていることが多く、立地や利用状況によっては担保評価がつく場合があります。

ただし、上物がない更地の場合は、宅地よりも評価額が低くなる傾向があります。

山林・原野(地目:山林・原野)

山林や原野は、一般的に担保評価が低めになりやすい土地です。ただし、都市近郊の山林や開発が見込まれる原野など、立地条件が良い場合は担保として認められるケースもあります。

駐車場・資材置き場(地目:雑種地・宅地等)

コインパーキングや月極駐車場、資材置き場として活用されている土地は、収益性が評価される場合があり、担保として認められるケースがあります。

土地を担保にお金を借りる不動産担保ローンのメリット

土地を担保にお金を借りる不動産担保ローンには、他のローンにはない多くのメリットがあります。

高額な融資が可能

不動産担保ローンの融資限度額は、担保にする土地の評価額によって決まります。一般的には、不動産評価額の60%〜80%程度が融資限度額の目安です。たとえば、評価額3,000万円の土地なら、1,800万円〜2,400万円程度の融資が見込めます。

カードローンやキャッシングでは通常数百万円程度が上限ですが、不動産担保ローンなら数千万円〜億単位の融資も可能なケースがあります。

金利が低め

土地などの不動産が担保となることで、金融機関は貸し倒れリスクを抑えることができます。そのため、無担保ローンと比較して金利が低めに設定されており、一般的な相場は年1%〜10%程度です。

資金使途が自由

住宅ローンや自動車ローンのように資金使途が限定されることはなく、事業資金・医療費・リフォーム費用・相続税の支払い・借入の一本化など、幅広い用途に使うことができます。

返済期間を長く設定できる

不動産担保ローンは返済期間を長く設定できるため、月々の返済負担を抑えることができます。ノンバンクでは最長30年程度まで対応している商品もあります。

審査が柔軟

銀行の無担保ローンと比較すると、担保があることで審査基準が柔軟になるケースがあります。特にノンバンクの不動産担保ローンは、銀行の審査に通らなかった方でも、担保不動産の評価次第で融資を受けられる可能性があります。

農地を所有している方へ:まず他の不動産を確認してみましょう

農地での不動産担保ローンは、農地転用を行わない限り一般的には難しいのが現状です。

しかし、農地を所有している方でも、他に自宅・店舗・事務所・駐車場などの不動産をお持ちの場合は、そちらを担保にして不動産担保ローンを申し込むことができます。農地の転用手続きを経ることなく、スピーディーに資金調達できる可能性があります。

また、農地の転用を検討している方は、まず農業委員会への確認から始めましょう。第3種農地であれば転用の許可が下りる可能性があり、転用後に不動産担保ローンとして活用できる道が開けます。

農地や土地の担保活用について判断に迷う場合は、不動産担保ローンの専門家に相談するのが最善の方法です。

まとめ

農地担保融資とは、農地を担保にした融資の総称ですが、農地法による制限から一般的な不動産担保ローンの担保として設定することは難しいのが現状です。

土地を担保にお金を借りたい場合は、農地転用が可能かどうかを検討しつつ、所有している他の土地・不動産(宅地・雑種地・建物等)を活用した不動産担保ローンを検討することをおすすめします。宅地や建物を担保にすれば、高額の融資・低金利・資金使途自由という不動産担保ローンの強みを最大限に活かすことができます。

協和信用保証株式会社では、昭和63年の創業以来、不動産担保ローンに特化した融資を行っております。農地の転用を含む土地に関する担保評価の相談から、融資の実行まで、一貫してサポートしております。「農地しか持っていない」という場合でも、まずはお気軽にご相談ください。

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